わたしが嫁に行くまでの記録

貞操観念が狂ってる女の婚活と色恋記録

犬を拾いました その1

 

「好みのタイプじゃなかった場合は、楽しくデートしてその日を終えよう」

 

丸と初めて会った日、移動中の電車の中でわたしはそう考えていた。

 

11歳年下の大学生と一悶着あってからというもの、年下に対する印象が180度変わってしまったわたしは、止せばいいのにまたしても一回り年下の男の子に声をかけてしまった。

 

やたら可愛い(写真の)男の子がいるなぁと思ったわたしは、あまり深く考える事もなく、自分からアプローチしていた。

20代前半の男性の中には、稀に30代の女が好きな人種がいる事を知っていたので、臆する事なく行動していた

 

とは言え、こんなにすんなり返事がくるとは思っていなかったので、少々面食らった。

 

丸は12歳年下の大学生で、メッセージの文体が妙に可愛らしかった。

 

「ぼく、甘えん坊ですが、大丈夫ですか?」

 

可愛い顔文字付きで、そう尋ねられた。

何が大丈夫なのかよく分からなかったが、大丈夫ですよ、と返事をした。

メッセージのやり取りは、トントン拍子で進み、lineのIDを交換した後は、あれよあれよとデートの約束まで取り付けた。

元々は、婚活の一環として始めたそのアプリだったが、婿候補にはかすりもせず、デートにこぎ着けるまでのテクニックのみ、メキメキと腕が上がっていた。

 

某駅で待ち合わせして、プラネタリウムを見に行く約束をした。

待ち合わせ数分前は、どんな相手が来るのか期待と不安で緊張がピークになる。

その感覚が好きだった。

その日も例外なく心地良い緊張に包まれて待ち合わせ場所に行った。

 

「りささんですか?」

最初にわたしを見つけてくれたのは、丸の方だった。

丸は、想像よりも華奢で小柄な上に、高校生にも見えるくらい幼かった。

一緒に歩くとわたしは保護者のようにも見えなくもないだろう。

 

かくして、大学生と三十路おばさんの奇妙なデートが始まったわけである。

 

プラネタリウムに水族館。

可愛らし過ぎるチョイスだったが、わたしにとってはどれも新鮮で楽しかった。

 

丸は思ってたよりも話かけてきてくれたが、さすがに緊張しているようで、どこかぎこちなかった。

 

水族館を終えると、少しお茶しようと言うことで、喫茶店に入った。

 

「楽しかったですか?ぼく、デートの経験があんまり無くて、楽しんでもらえてるか自信無くて。。」

丸は申し訳なさそうにそんな事を言い出した。

こんな高校生みたいな気持ちになるのは、何年振りだろう、可愛いなぁ。

わたしはそう思い、ほのぼのした気分になったのだが、ある台詞で現実に戻る事になる。

 

「りささん、ぼく疲れちゃいました。この後どこかで休憩しませんか?」

 

はぁ?今なんて言ったこのガキは。

 

「休憩したい?どこで?」

「えっと( 〃▽〃)、ホテルとかで..」

 

おいおい、可愛いと思ったけど、とんでもない糞ガキかもしれない!

こうしてわたしは、丸に対して戦闘体勢に入った。

 

次回へ続きます。